広島のあすにゃん

広島のアスリアが、日々の備忘録を書きます。

美しさとはかなさを知る時代

天⾵録アラスジ:

NHK⼤河ドラマ「光る君へ」の藤原道⻑は平安時代の権⼒者で、⿇疹の流⾏により ⼀族の衰退が始まった。現在、⿇疹は再び世界を脅かし、特に欧州で感染者が急増している。

   ⽇本でも2007年に若者を中⼼に広がり、予防接種が唯⼀の防衛策とされている。この歴史的な流⾏病の描写が「光る君へ」でどのように描かれるかが注⽬されている。

コメント

藤原⽒の権⼒欲は⾮常に強く、その影響⼒は幅広い範囲に及んでいたと⾔われています。

   この権⼒欲を象徴するエピソードとして、⼥帝であった称徳天皇とその近⾂、道鏡との間にスキャンダルを捏造(ねつぞう)したという話があります。

 

   彼らはそのスキャンダルを利⽤して、⼥性天皇の後継者が出現しないように策略を巡らせました。それは⾃分たちの思惑に反した天皇が後継者になることを防ぐためのものだったとされています。本当かどうかはわかりませんが、そういう説が出てくること自体、藤原氏の権力欲の異常さがわかると思います。

 

「この世をば我が世とも思う望⽉の⽋けたる所のなしと思えば」

この和歌によって藤原⽒の傲慢さが広く知られているようですが、私がその詩を⾒ると、少し異なる視点が⾒えてきます。

 

「⽉に喩える」ということは、⽉のように絶えず変化する⾃然の⼀部として、世の中もいずれ変わるということを暗⽰しているのかもしれません。

 

この時代からすでに、「もののあわれ」という感覚が存在していたのです。それは ⼀種の無常観で、美しいものや感動的な瞬間は必ず終わりを迎えるという哀しい現実を受け⼊れる姿勢を指しています。

 

   そのため、藤原⽒⾃⾝も⾃分たちの時代が永遠に続くとは思っていなかったかもしれません。彼らは、変わりゆく世の中を静観し、その美しさと同時にそのはかなさを深く理解していたのです。