天風録アラスジ
ベートーベンの「第九」は200年の歴史を経て、極東の地でも愛されている。
その初演は多くの困難を伴ったが、エピソードは東西を問わず伝えられている。
戦時下の1943年に東京音楽学校の学生たちを送り出す演奏と、戦後の追悼演奏は「歳末第九」の起源とされる。しかし、「全ての人々が兄弟となる」と歌う第九の理想は、現在も果たされていない。
その理想の達成が待たれている状況の中で、「第九」の音楽は、私たちに共感と理解、そして平和への希望を提供してくれる。
戦争の影響を受けた人々を慰めるために生まれたとも言える「歳末第九」は、今日でもその響きを通じて、人々の心に深く響き、様々な感情を呼び起こす。そして、それは同時に、私たちに、人間の調和と平和を求め続けることの重要性を再認識させてくれる。
「第九」の力強いメッセージと美しい旋律は、未来への希望と共に、私たちを励まし、導くことでだろう。誰もが兄弟となる世界の実現に向けて、私たちはまだ道半ばかもしれないが、「第九」は私たちがその道を進み続けるための力を与えてくれるのです。
コメント
ベートーヴェンは1770年生まれで、古典からロマンへの移行期に活躍。初期はハイドンやモーツァルトの影響を受け、中期から後期には個人的な表現が特徴的でした。
幼少期からバッハの音楽を学んだ彼は、バッハを「調和の元祖」と称えていました。彼の作品にはバッハの影響が見られ、晩年にはフーガを積極的に書きました。
バッハとベートーヴェンは異なる時代に活躍しましたが、バッハの音楽はベートーヴェンに影響を与え、その伝統を受け継ぎながら自身の音楽を発展させました。
ベートーベンは、モーツアルトよりもずっと泥臭い努力の人です。努力も才能のうちと言いますね。人が一努力するなら、その十倍はやるのがベートーベン。尊敬しています。