広島のあすにゃん

広島のアスリアが、日々の備忘録を書きます。

認めん!

面白い性格?

 わたしは、かなり面白い性格だと義母は言います。その性格が文章に出れば言うことないが、今までの小説の大半は失敗に終わりました。

 中学生の時に先生に見せたSFドラマの小説化《ノベライズ》は「下らん」と一蹴され、高校時代の時に、「マンガ化してあげる」と小説を見てくれた友だちも、つじつまのあわないストーリーにサジを投げました。

 当時、わたしが夢中になって読んだファンタジーやSFは、わたしにはハードルが高すぎたのです。短編すら書くことが出来ませんでした。

 わたしはひそかにさめざめ泣きました。

表現したい!

 それでも表現したいという欲求だけは強かったので、ヘボい小説のアイデアだけはあたためていました。代表的なものを三つあげると、

一:昭和の時代にタイムリープしたオバサン綾部絵里子が過去の個人の歴史を守る物語『パート・タイム・パトロール』。
二:両親の非業の死の真相と、おぞましい魔の正体を追求する王女アスリアの物語『虚無の魔法』
三:銀河を航行する宇宙トラッカー用のドライブインを経営するおじいちゃんとその孫、日下素子の物語『宇宙ドライブイン【虹】』。

 出版社に出しました。
 印税がっぽり。豪邸を建て、セレブな人と交わり、テレビ出演に講演会、アニメ化映画化ドラマ化決定。ファンレターが山と来る。そんな生活が待っている!
 しかし出版社からは、なしのつぶて。

 なぜだろー。
 

 わたしの創作は、裁縫と似ています。

 まず、型紙、つまりプロットを書く。起承転結バッチリ。
つぎにまち針をうつ、つまりあらすじを書く。

 『パート・タイム・パトロール』だったら、一〇歳の男の子を持つオバサンが、学資のためにパートに出たら、それが個人の歴史を守るタイムパトロール勤務だった……。

 

 そして、裁断する。つまりあーだこーだ書く。前半はふつーのオバサン。今日の晩ご飯も悩ましいのに、つぎのシーンでは命を狙われる。そんなバカなと思う。思うがどうしようもない。つじつまがあわない。バラバラなストーリー。

 やっと書き上げたその作品を、出版社に提出すればボツのあらし。かなしすぎる!

「なぜだなぜだなぜだー!」
心中、吼えまくってました。助言を得るため夫に読んでもらうと、夫は、
「こりゃダメだよ……なにせ設定がされてない」

 

設定?
 なにそれ、食べられるの? (爆)


「作家になりたいんだったら、つじつまが合うように最低限、ひとりの登場人物に対して一冊ぐらいは、設定表を書くべきじゃない? 経歴とか、特徴とか……」

「そんなの、思いつかないよ。どうしたら出来るの?」
「つまりね、いままで会った人で、この人だったらどうするって想像するんだよ。それを小説に活かすんだ」
「そんなの思いつかない。たとえ思いついても、それに沿った人物が書けないんだよ~~~!!」

「出来ないなら作品なんか書けないよ。もう小説家は、あきらめたら?」

 自分の経験を活かした作品を書いた方が、共感されるしのめり込んでもらえるの。

 ふつうの主婦の書いた平凡な小説なんて、だれも読まないと思う。
 いまさら小説家をあきらめろなんてひどすぎるじゃないか。

 く、くやじーッ。
 わたしをよく知る友だちも、口をそろえて言うのです。
「あなたは小説よりエッセイの方が向いてる」
 わたしは反抗します。

「だれでもエッセイの一つや二つ、書けるんだよー。小説の方が、もうかるんだよーッ」
 夫は、目力を込めました。
「きみはユニークだ。それを活かしたほうがいいと思う」
 家庭科も小説も、才能がないのはあきらか。
 でもね。
 自尊心の問題ですからね……。
 才能がないなど、断じて認めん。