広島のあすにゃん

広島のアスリアが、日々の備忘録を書きます。

戦乱の中で継承される文化の重要性

天風録アラスジ

新しい1万円札の顔となる渋沢栄一の家訓、800年前の歌人藤原定家の直筆とその家訓、そして新紙幣トリオの津田梅子と北里柴三郎がそれぞれの大学の学祖として仰がれることは、投機や権力争いではなく、文化の力の重要性を示している。

上記の人物たちは、それぞれ異なる分野で文化の発展に貢献した。

   渋沢栄一は経済の世界で、藤原定家は文学の世界で、津田梅子と北里柴三郎はそれぞれ女性教育と医学の分野で大きな足跡を残した。

    彼らの活動は、彼らの影響力がどのように社会に広がっていったかを示している。また、彼らの価値観や信念は、今日まで受け継がれている。

    これらの事例から、文化の力がいかに持続的で影響力のあるものであるかを強く感じることができる。

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平安末期から鎌倉期の歌人小倉百人一首で有名な、藤原定家11621241年)が記した古今和歌集の注釈書「顕注密勘」の自筆原本が、京都の冷泉家で代々継承されていた「古今伝授」の箱から見つかりました。

    この箱は約130年間開封されずに保管されていました。専門家はこの発見に驚き、「国宝や重要文化財級のものは出尽くしたと思っていた」と述べています。

1192年は鎌倉幕府が成立した時期であり、1221年(承久3年)は承久の乱(じょうきゅうのらん)の時代でもありました。

    このような戦争と混乱が続く時期でありながら、平安貴族たちは決して文化を忘れることはありませんでした。

    彼らは常に美を追求し、詩を書き、音楽を楽しむことで知られていました。その独特な悠々とした雰囲気は、戦乱の中にあっても変わることがありません。まさに平安貴族の特徴とも言えるでしょう。

 

    私たちには、1000年に亘る文化があります。その価値観を伝えていくことは、わたしたちの義務だと考えます。みなさんは、いかがですか。

革新的技術:スカイレールの幕引き

天風録アラスジ
JR瀬野駅と団地を結ぶスカイレールが26年の歴史に幕を下ろす。

 


開業時は最先端の技術だったが、利用者は当初計画の4分の1にとどまり、赤字が毎年続いていた。代替の電気自動車バスが走り始め、団地内のあちこちに停留所ができた。

 


新しい技術がどんな新しい景色を見せてくれるのか、期待が高まっている。


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この天風録でスカイレールという空を旅することができるという技術的に非常に進んだ交通機関が存在することを初めて知りました。

 


これは、科学技術の進歩がもたらす驚きの一つであり、その存在自体が私たちの想像力を刺激します。

 


  しかしながら、その驚きと興奮が一段落ついたところで、その利用者数が当初の計画のわずか4分の1であるという事実に遭遇し、私は驚きと同時に多くの問いを抱きました。


スカイレールを開発した政府が何を考えていたのか。政策の根底にある意図や目的が何だったのか、その評価基準は何だったのか。必要ない場所に、大量の資源を投入して施設を作ったのではないかと疑問に思います。


このようなサービスが終了してしまうことは、非常に悲しいことです。その存在が示す可能性や未来に向けたビジョンが予期せぬ結果に終わることは、多くの人々にとって失望感を与えるでしょう。

 


   最初から電気自動車バスを運行するなど、他の選択肢を選んでいれば、このような結果にはならなかったのではないでしょうか。
私自身、スカイレールを利用する機会は一度もありませんでした。今後利用することも無いでしょう。

 


   税金の無駄遣いを指摘することは容易ですが、それ以上に重要なのは、これから先の技術開発です。今後はより進歩した、より精密な技術を用いて、人々の生活を便利にするような施策を期待します。

 


そのためには、失敗から学び、それを次の成功につなげることが重要だと強く思いました。

挑戦と希望:若者の未来への道

天風録アラスジ

「失われた30年」は見方を変えれば「得られた30年」であり、日本文化の評価は高まっている。

   これからの時代は、若い人々が主導することだろう。彼らは新鮮な視点とエネルギーを持って、世界を変革する力を持っている。

    特に、日本の若者たちはアニメや映画などの文化を通じて世界に影響を与えている。岸田首相が米国を訪問した際にも、アニメ主題歌を歌った日本の若いユニットが大統領の晩餐会に招かれた。

    このような活動を通じて、日本の若者たちは新しい価値を創造し、日本の影響力を高めている。そのため、彼らがこれからの時代を作り上げていくことに期待が寄せられている。

    固定観念に縛られず、時代を変える調整と柔軟性が重要である。

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かつて昭和時代に、"わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい"というメッセージを伝えたテレビコマーシャルがありました。

 

   この素晴らしい表現は、子供たちが自由に、強く、そして元気に育つことの重要性を強調しています。このコラムの筆者も、同じ精神で今の若者たちに向けて、ぐいぐいと成長し続けることを心から応援しています。

 

筆者は就職氷河期に新聞社に入社することができた経験を持つため、若者たちが直面する可能性のある困難や挑戦について深く理解しています。

    若者たちはかなりの困難に直面しているかもしれませんが、それでも彼らが前に進み続けることを強く願っています。

この応援には、心からの希望と期待が込められています。若者たちが困難を乗り越え、自分たちのポテンシャルを最大限に引き出すことを願っています。そのような思いが、この応援に心温まる感情を引き起こします。

 今の若者たちは、前の世代が経験したことのない困難や挑戦に直面しています。我々は彼らをサポートし、理解することが重要なのだと強く思いました。

 

若者の働き方と進化

天風録アラスジ

新しい入社式のスタイルが見られ、多様性が尊重され、ノーネクタイやワンピース姿も許容されるようになった。

    しかし、SNSでは新社会人の早期退職の報告が目立ち、退職代行サービスの依頼も増えている。退職理由としては、事前に聞いた業務や勤務条件との違い、パワハラなどが挙げられている。

 転職が珍しくない今の時代、若い世代は自分らしく働ける環境を求めている。

これらの傾向は、企業と従業員間の新たな関係性を示している。

  企業側は、従業員が自分らしさを尊重され、働きやすい環境を作ることにより、従業員の持続的な参加を促進しようとしている。一方で、新社会人たちは、自身の価値観と期待を優先し、自分にとって最良の環境を選ぼうとしている。

 これらの動きは、職場と個々の働き手との関係性におけるパラダイムシフトを示している。職場は個々の働き手のニーズに応え、働きやすさを提供することで選ばれる職場となる必要がある。

 それがなければ、特に人手不足が深刻な現在の労働市場では、生き残ることが難しいかもしれない。

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"大事なのは変わってくこと、変わらずにいること……"という歌の一節がありますが、この言葉は進化と生存の法則にも通じます。

  ダーウィンの進化論によれば、生物界では「弱肉強食」の法則が働いているように見えますが、実際には強者が生き残るわけではありません。

 

  生き残っていくのは変化していく種、つまり環境の変化に適応し、進化し続けることができる種です。

 

  これは、生物だけでなく、我々人間の社会にも当てはまることで、変化に対応し、進化し続けることが生存と成功への鍵となるのです。

適者生存の法則に従って、企業もまた適合し続けることが求められます。

 しかし、進化は常に正しい道を示すわけではありません。適合しすぎてしまうと、かえって進化の袋小路に入ってしまい、新たな可能性を見失うこともありますね。

 

創造性と自然:フィンランドと日本の幸福度の比較

天風録アラスジ

 

湯川秀樹博士のエッセーの中で自然と人間の創造性についての洞察が示されている。彼は自然が曲線を、人間が直線を創造すると述べている。

  これは、フィンランドのライフスタイルやデザインにも反映されている。北欧のデザインは、自然からインスピレーションを受けた美しい曲線が特徴で、その独自の美しさと快適さは、過酷な自然の一面によって育まれている。

   フィンランドは、世界幸福度ランキングで7年連続1位に輝いている。一方、日本は51位となっており、欧州との距離は近いものの、生活満足度では大きなギャップがある。

    湯川博士は「一番大きな問題は常に人間の幸福である」と述べている。フィンランドの幸福への取り組みに、我々も学ぶことがあるかもしれない。

 

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以下は幸福の国フィンランドの基本情報です:

 

地理:

スカンジナビア半島の内側、バルト海の一番奥に位置し、西はスウェーデン、北はノルウェー、東はロシア、南はフィンランド湾を挟んでエストニアがあります

人口:

約555万人で、首都はヘルシンキです。

言語:

フィンランド語とスウェーデン語が公用語ですが、英語も広く話されています。

気候:

四季がはっきりしており、北極圏に近いため冬は長く厳しいですが、夏は比較的温暖です。

経済:

教育や福祉に力を入れており、物価は世界トップクラスですが、教育から医療まで国からの支援が充実しています。

文化:

  サウナ文化や「カハヴィタウコ」(コーヒー休憩)など独自の伝統があります。また、ムーミンや北欧雑貨で知られる国でもあります。

フィンランドは、国土の約75%が森林で覆われており、世界最大の群島エリアとヨーロッパ最大の湖沼地帯を有しています3。フィンランドの歴史や文化は多様で深遠であり、静寂な自然と先進的な社会制度が交錯する魅力的な国です。

 

個人的には、フィンランドムーミン、というイメージしかなかったりして。

 

 

 

文化解釈と恩送り行為:人情のバランス

天風録アラスジ
井上ひさしは一関市で作文教室の講師を務め、恩送りの精神を体現していた。彼の精神は現在も引き継がれ、井上さんがかつて恩を受けたように、今度は若者たちが恩を送り続けている。

   恩が天下の回りものであるように、金は天下の回りものだが、奨学金を提供する「あしなが育英会」は資金難で、全額給付を受け取れる申請者は半数に満たない。

  それにも関わらず、あしなが育英会で進学を果たした若者たちは、全国で街頭募金に立ち、奨学金の資金を集める活動を行っている。

  恩送りの精神を継承する彼らの背後には、井上さんや永六輔さんの言葉、そして生きていること自体が他者への借りをつくる行為であるという信念がある。


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以前、井上ひさしさんの『作文教室』という本を読んだ経験があります。その際に特に印象に残っているのは、なぜか井上さんがこの教室の中で、

 日本国憲法の第九条について熱く語っていた記憶です。

  もちろん、これは私の記憶が確かであればの話ですが、それが事実であれば、井上さんの深い思索と情熱が伺えます。


その他にも、『吉里吉里人』や『国語元年』といった、日本の本質に迫る作品を多く著していた井上さんは、その深い洞察力と独特の視点で、私たち読者に多くの発見を提供してくれたといえるでしょう。

 彼の作品は、彼がどのように日本とその文化を解釈し、理解したのかを示しています。


"恩送り"という言葉は私にとって初めてのものでしたが、これは3月まで放送していたドラマ『ブギウギ』の主人公である福来スズ子の母親が、スズ子に対して言った

 

「人生は義理と人情や!」

 

という言葉に通じる概念であると感じました。これは、人間関係の中での義務と感情のバランス、そしてその中での恩恵を返す、または受け入れる行為を示していると思われます。


恩をカサにして無理難題をふっかけてくる人もいます。対等の立場で恩送り、していきたいですね。

視野を広げる挑戦:写真家篠山紀信さんの遺産


篠山紀信さん、83歳の訃報が届いた。彼は広告写真の世界で名を成し、1970年代の雑誌ブームに乗った。芸能誌「明星」や青年誌「GORO」などで表紙写真や連載物をかけ持ちする売れっ子となった。また、俳優宮沢りえさんのヌード写真集は社会現象となり、時代のタブーをあぶり出した。東日本大震災から約2ヶ月後の被災地と住民が収まる写真集「ATOKATA(あとかた)」も手掛けた。

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今日は新聞休刊日。そのため、過去の天風録の中から未UPのコラムを選び、その詳細な分析と私の感想を述べていきたいと思います。このコラムは、様々な視点から物事を考察する機会を提供してくれます。

 


篠山紀信という名前を初めて聞いたとき、私は彼についてなにも知りませんでした。しかし、彼が撮影した宮沢りえさんのヌード写真については、1980年代に社会現象とも言えるブームになったので、その存在は知っています。

 


彼の撮影したその写真集は、図書館に蔵書として保管するかどうかで、各地方で判断が分かれ、大いに議論を巻き起こしました。それは社会的な問題として注目を集め、多くの人々を巻き込みました。

 


その写真集は芸術なのか、それともエロ本なのか。その判断を迫られると、人々は難しい問題に直面することになります。それだけに、判断が分かれるのも頷けます。この問題は、個々の価値観や視点によって答えが変わるため、一概に正解を決めることは難しい。

 


私自身、ヌード写真のカメラマンについては無関心でした。宮沢りえさんの写真集についても、男性たちがまた何かバカなことで騒いでるとしか思っていませんでした。

 


   しかし、今回の機会を通じて、その問題について深く考えることができました。それは私の視野を広げ、新たな視点を提供してくれる貴重な体験でした。

人をセンセーショナルな先入観で見るのではなく、もっと多角的に見なければと思った次第です。