広島のあすにゃん

広島のアスリアが、日々の備忘録を書きます。

文化解釈と恩送り行為:人情のバランス

天風録アラスジ
井上ひさしは一関市で作文教室の講師を務め、恩送りの精神を体現していた。彼の精神は現在も引き継がれ、井上さんがかつて恩を受けたように、今度は若者たちが恩を送り続けている。

   恩が天下の回りものであるように、金は天下の回りものだが、奨学金を提供する「あしなが育英会」は資金難で、全額給付を受け取れる申請者は半数に満たない。

  それにも関わらず、あしなが育英会で進学を果たした若者たちは、全国で街頭募金に立ち、奨学金の資金を集める活動を行っている。

  恩送りの精神を継承する彼らの背後には、井上さんや永六輔さんの言葉、そして生きていること自体が他者への借りをつくる行為であるという信念がある。


コメント
以前、井上ひさしさんの『作文教室』という本を読んだ経験があります。その際に特に印象に残っているのは、なぜか井上さんがこの教室の中で、

 日本国憲法の第九条について熱く語っていた記憶です。

  もちろん、これは私の記憶が確かであればの話ですが、それが事実であれば、井上さんの深い思索と情熱が伺えます。


その他にも、『吉里吉里人』や『国語元年』といった、日本の本質に迫る作品を多く著していた井上さんは、その深い洞察力と独特の視点で、私たち読者に多くの発見を提供してくれたといえるでしょう。

 彼の作品は、彼がどのように日本とその文化を解釈し、理解したのかを示しています。


"恩送り"という言葉は私にとって初めてのものでしたが、これは3月まで放送していたドラマ『ブギウギ』の主人公である福来スズ子の母親が、スズ子に対して言った

 

「人生は義理と人情や!」

 

という言葉に通じる概念であると感じました。これは、人間関係の中での義務と感情のバランス、そしてその中での恩恵を返す、または受け入れる行為を示していると思われます。


恩をカサにして無理難題をふっかけてくる人もいます。対等の立場で恩送り、していきたいですね。