広島のあすにゃん

広島のアスリアが、日々の備忘録を書きます。

被爆体験を伝える広島弁AI

2024/02/08の中国新聞『天風録』の記事では、⼈⼯知能(AI)を活⽤した、広島弁での被爆証⾔応答装置について詳細に書かれています。全⾯協⼒者は被爆者の梶本淑⼦さん。この装置は、広島弁での被爆体験を伝えるためにNHK広島が開発したもので、それを通じて過去の惨事を未来世代に伝えることが出来るようになりました。良い面からいうなら、このような先端技術を活⽤すれば、歴史的な出来事をより深く理解することができるようになるかもしれません。

記事では⽣成AIの可能性についても触れられていますが、残念なことに⽣成AIを⽤いて証⾔を編集することで、より具体的で⽣々しい描写が出来るようにな るとの視点はありませんでした。むしろ証⾔が都合よく編集される可能性をはらんでいるという批判がされています。

 

新しい技術に対して批判的になるのはいつものことですが、⽣成AIで証⾔が都合 よく編集されるというこの著者の危惧は、よくわかりません。都合よく、とは具体的にどういうことなのかがわからないし、誰にとって都合がいいのかもわかりません。⽣成AIに証⾔を編集する能⼒があるのかどうかも分からない。⽣成AIの限界については未知な部分があります。

証⾔のひとつひとつが被爆者の⽣きざまだ、という著者の⾔葉は重みがあるとは思いますが、そのうちの⼀⼈を被爆者代表として選ぶこと(例えば佐々⽊貞⼦さ んとか)と、⽣成AIによる証⾔編集とは、具体的にどこがどう違うのかも考察してほしかったです。

 

AIの使⽤にあたっては慎重 な判断と調整が必要です。適切な使⽤がされれば、この新技術は歴史の伝承と理解を⼀層深めることができるはずです。しかし、新技術の⼒に関しては、筆者は慎重 な態度を取っているようです。まだまだ未熟な技術ですが、可能性は⼤きいとわたしは思っています。