広島のあすにゃん

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フナクイムシの食文化と生態系

天風録アラスジ

 フナクイムシは「海のシロアリ」とも呼ばれる二枚貝で、木を食べて穴を掘り進む。その生態を模倣したシールド工法がトンネル掘削に利用されているが、広島市での工事中に道路が陥没する事故が発生した。シールド工事には地盤の陥没や隆起のリスクが伴うため、防災対策が重要である。

 

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 フナクイムシ(船喰虫)は、フナクイムシ科 (Teredinidae) に属する二枚貝の総称です。この生物の名前には「ムシ」という言葉が含まれていますが、実際には貝類の一種であり、昆虫ではありません。英語では「shipworm」(直訳すると「船の虫」)と呼ばれ、その木材を食べる特異な習性から「海のシロアリ」という別名も持っています。この呼び名は、陸上でシロアリが木材を食べることに似ていることから来ています。

 

フナクイムシの生態は非常に興味深いものです。彼らは海中の木材に穴を開けて住み着き、その木材を主な栄養源として生活。体の前面にある特殊な貝殻を使って、フナクイムシは木材に穴を掘り進みます。この過程で、木材の内部に複雑なトンネル網を作り上げていきます。さらに興味深いことに、これらのトンネルは単なる穴ではありません。フナクイムシは掘った後、トンネルの内壁を石灰質の膜で覆います。この膜は、フナクイムシにとって安全な巣穴となり、外敵から身を守る役割も果たしています。

フナクイムシは、多くの地域では害虫として扱われますが、興味深いことに、一部の地域、特にフィリピンでは、フナクイムシを食べる文化があります。マングローブの木から採取されたフナクイムシは特に珍重され、現地では「タミロック」という名前で知られています。調理方法はシンプルで、多くの場合、酢などの調味料を付けて生で食べます。この独特の食文化は、地域の生態系と人々の暮らしが密接に結びついていることを示す興味深い例と言えるでしょう。